ロンドン大学バークベック校(Birkbeck, University of London)でBA Psychosocial Studiesを学び始めた20歳の大学生です。
授業が始まってから今日でちょうど1週間が経ちました。
初回の授業直後からいきなりマルクス主義について書かれた文献を読まされたり、次の授業前課題としてマルクス主義についてどう思うかを300字以内の自由記述で課題を出されたりと、最初の週にしては予想以上になかなか刺激的な週でした。
週末はブライトンやバースに小旅行を...と楽天的に考えていたのですが、全くそんな余裕はかませかったですね。正直ナメてました(笑)
ということで、この記事では授業開始からの1週間はどんな感じだったのかを紹介したいと思います。
授業時間について
バークベックでは、授業は週3日(僕の場合今学期は月・火・水)で夕方の6時から9時にかけて行われます。(ですが実際行ってみると8時半まででした。何だか得した気分でしたね。)
また、月曜から水曜までの連続3日間だけなので、その気になればフランスやオランダまで軽く旅行に行けてしまえます。
つまりバークベックでは、授業での拘束時間がほかの大学と比べて非常に短いのです。
日本で1年半大学生活を送っていたときは、朝の1限目に1コマ, 夕方に2コマと、朝の9時から夕方の6時まで一日中拘束された気分で不満を感じていた日々があったので、こっちでの時間割にはかなり余裕を感じます。
授業の構成
前半45分が講義、後半45分がグループに分かれてのディスカッション
という授業構成になっています。
ですが6時から8時半までぶっ続けで行われるわけではなく、講義とディスカッションの間で10分くらいの休憩をくれます。
出席の取り方・遅刻について
出席については、教室についたときに学生証(Student ID Card)をスキャンするようことになっています。
しかしスキャンをし忘れる人が多いのか、実際のところは講義中に回ってくる紙の出席簿に自分の名前をサインするというアナログ方式がとられています。
遅刻について
遅刻については、最初のうちだけかも知れませんがあまり何も言われません。
キャンパスにまだ慣れていなく迷子になって遅刻する人も多いので、教授も事情を十分理解している印象を受けます。
今日は大学が始まって2回目の月曜日の授業だったのですが、教室変更があって遅れてくる人がちらほらいました。先生自身も迷ったと言っていました (笑) 今のところはだいぶ寛容なようです。
実を言うと、僕も水曜日の初回の授業を教室を間違えたあげく迷子になって15分くらい遅刻しました。「遅れてごめんなさい」と短く謝り、「別にいいよ今始まったとこだから」という感じでした。
クラスの規模・授業の流れについて
クラスの規模
授業の全体人数は約40人くらいだと聞いています。
具体的な人数はよくわからないのですが、
個人的には期待していたより規模が大きいなと感じています。
しかし、グループディスカッションのときは最大でも5人程度の少人数のグループに分かれるので、大勢の前で発言を求められたりプレゼンをしたりする心配はいりません。
もしろん意見したければオープンな雰囲気なのでバンバン言っていいと思います。
ただし、俗に言われている西洋型の何から何まで無理に発言を求められるという風潮はありません。また、発言頻度などが成績に影響することもシステム上はないようです。
さらに「どのように授業を受けたいか」を、授業が始まってから間もなく行われるパーソナルチューターとの1対1のミーティングで希望を聞いてもらえます。
例えば大勢の人数の前で話したり意見を言うことに抵抗がある場合は、「大人数の前で話すことに抵抗があるので配慮をお願いします」とミーティングの場で伝えておけば、授業中大勢の前で当てられて発言を求められることはなくなります。
日本の一般的な教育機関と違い、個人的な学び方の多様性に理解があるなという印象を受けています。
授業の進み方
講義では、最初にこれから登場する概念や学者の主張、論争が起こった歴史背景などを教授がかみ砕いて解説し、
その後のディスカッションでは予習文献や解説を踏まえてどう思ったか・どんな疑問や反対意見を持ったかをカジュアルに話し合うという流れです。
講義中で与えられた質問項目にそってグループで話し合いを進めて結論を出すという場合もあります。
ディスカッションの流れを具体的説明すると、
「じゃ、講義はここまでにして休憩後にディスカッション始めよう」
と教授が前半を締めくくり、休憩の後近くに座っている人で目があった人から
「Hi, what's your name? Nice to meet you, I'm --. Alright shall we? Haha Okay So... 」
みたいな感じで軽く声をかけ自己紹介をし、ディスカッションに入っていきます。
僕はかなり人見知りをする方ですが、一度話しかける時の“型”がわかればあとは大丈夫かなという感じです。
もちろん話しかけられる立場になったときの方が楽ですが。
あくまでも難しく感じるのは最初の話しかける立場になった時だけなので、特に人見知りや不安症の方はまず軽く微笑んでから、焦らずゆっくりと話すよう心がけると良いでしょう。
課題について
今学期とっている3つの授業のうち1つを例に出すと、
授業の振り返りや課題文献を読んでどう思ったかなどを毎週300ワード以内でコメントする自由記述と、
学期末提出の「Psychosocial Studiesとは何か」という漠然極まりない問いについて論じる2000ワードのエッセイ、あともうひとつ今までの授業でカバーしてきたトピック1つを選び、それについて自由に論じる2000ワードのエッセイがあります。なので大きなものは2000ワードのエッセイ2つのみということになります。試験はありません。
しかし、その代わりその2つのエッセイだけで評価が決まります。
最初に述べた自由記述については、評定には含まれず、提出方法は学生用掲示板のようなオンラインディスカッションフォームに書き込むことになっています。
余談ですが、この課題は思っていたよりなかなかやりがいがありました。
僕の投稿に対してコメント(実質反論)をくれた人がいて、「まあ確かにそれもそうだよな..」と思ってしまいなかなか反論が思いつかず一日放置したのですが(笑)翌朝の洗面中に反論の材料を思いついたので、無事返信することができました。
別にあえて反論する必要はなかったとは思うのですが、ディスカッションの場だとその方が面白くなるので。単に墓穴を掘った可能性もありますけどね(笑)
どちらにせよ大学のディスカッションの場なので、参加している態度をしめしておくこと自体は損にはならないと思います。ツイッター上のようにヒートアップして敵対的な雰囲気の議論になる心配もないでしょう。
まあこの課題おかげで、今日の授業後その本人と初めて対面で話すことができて友達の輪をひろげることにつながったので、授業中声高々に発言はしずらい内向的な僕にとってはオンラインディスカッションはやりがいがある(参加しやすいという意味で)と思いました。
終わりに
以上、僕の大学で授業が始まってから1週間たった時点で報告でした。同時にイギリスに入国してから今日でちょうど3週間目になるので、授業以外での生活一般の流れについても後ほどまた紹介したいと思います。
ありがとうございました。ではまた!
ロンドンスナップ: カフェ "Pret A Manger"
”店内での一枚。Pret A Mangerはロンドンの街中で見かける赤い星が目印のカフェチェーン。課題文献を読むとき、小腹が空いた時によくふらっと立ち寄る場所。ほどよくうるさくて集中しやすい。サンドイッチがおいしいことで口コミで評判がある。僕のおすすめは味噌汁とカレースープ。”